6月6日生まれの天使 読了。 【70点】
愛川晶の作品。
恋愛系ミステリーの傑作らしい。
以下、ネタバレ全開なので読んだことない人はそのおつもりで!
主人公の記憶喪失物。
叙述トリックの手法をとり、
①一時的に記憶喪失になった主人公が記憶を取り戻していく時系列
②主人公殺した犯人のよる1年後の時系列
①と②のエピソードがほぼ交互に回想されていてまるで同一人物のエピソードのようになっている。
主人公は最初の時点で記憶喪失していて、自分が誰なのかを読者とともに物語の進行とともに探っていく展開。
主人公、そしてもう一人の女性(主人公殺しの犯人)はある一人の男性(冬樹)をこよなく愛していて虜になっている。
そこがこの二人の女性の共通点であり
この小説の叙述トリックの肝なんだが
冬樹という男がどんだけ色男なんだよ!!って読み終わったあとに思ったわ。
この冬樹という男も10分ごとに記憶を忘れてしまうという記憶障害なのだが、
それなのに女性を骨抜きにするってさ。
普通そんな人といたらめんどくさくてしゃーないと思うけど。
まあそんなことはこの小説を楽しむためのさして問題ではなくて
小説でしか表現不可能な叙述トリックをいかに楽しむか
それにこの作品は尽きると思いました。
ハッピーエンドじゃなかったので
読み終わったあとの
後味はあんまり良くはなかったので
70点くらいかなー
全体的にはそこそこ面白かったし、またこの愛川晶さんの本は読んでみたいとは思った。